「殺すな」「殺されるな」ー 墓標とバリケード

報道写真家、福島菊次郎の言葉であり本展のテーマでもある「殺すな」「殺されるな」より、バリケードと墓標に見立てた什器を用いて2つの空間を構成した。
「殺すな」では戦後〜学生運動の記録をバリケード状に組み上げた単管の什器に不規則に括りつけた混沌とした空間に仕上げた。
「殺されるな」では彼の諦観した瀬戸内での日々の記録を港町を想起させる赤錆びた什器に静置し、それらを墓標のように並べ整然とした空間に仕上げた。
作品から抽出した、時代を彷彿させる什器や既成の形式に囚われない展示により、自作によるパネルの圧倒的な強さや福島の伝える民主主義の始まりと終わりを強固にする展示を目指した。

KYOTOGRAPHIE 2016 / 報道写真家・福島菊次郎「WILL:意志、遺言、そして未来」 / 展示空間 / 2016

ROCA